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Practice 実論

「デザインのチカラ」で提案された、さまざまなソリューション。
そんな、新たな解決方法の有効性を検証する上で、<考えたこと><発見したこと>、
そして実験のプロセスなどを記録し、発見したことを公開する。

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学生が提案!カラスごみ問題を解決する、
「カラスなぞいらネット」実験レポート!

「問題は、カラスがごみ袋をつついて、ごみを散らかすこと。だったら、ごみ袋に近寄れないようにすればいい!」という考えで、市販の“ごみ袋にかけるネット”を応用し、アイデアを提案してくれたのが、工学研究科教授・松原厚先生の学生(松原研M-1)のみなさんです。その提案は、ドーム状(半球)の骨組みにネットを張った装置を、ごみ袋にすっぽりとかぶせることで、カラスにつつかれることを防ぐというもの。名付けて「カラスなぞいらネット」。今回、これを実際に試作していただき、実験を行いました。果たして、どのような結果になったのでしょう?その模様をご紹介します!

 

 「カラスなぞいらネット」とは?

 こちらが、M-1のみなさんが試作した「カラスなぞいらネット」。

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「ドーム状(半球)の骨組みにネットを張ったシンプルなつくりで、これをごみ袋にかぶせれば、カラスがつついてもネットで防ぐことができ、袋が破けずごみが散らからないという提案です。しかも、ごみ袋の大きさに応じて収縮するように設計しているので、使用しないときは最小化され、収納しやすいのも特徴です」と、M-1の後藤さんが説明してくれました。この試作を使って、実験を行います!

 

 カラスをおびき寄せる、エサ作りからスタート!

今回、人間・環境学研究科教授の酒井敏先生のご協力のもと、カラスがよく訪れるという吉田キャンパス南2号館の屋上を実験場所としてお借りしました。

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まずは、カラスをおびき寄せる餌作りから。M-1のみなさんが調べたところによると、カラスの好物はケチャップということなので、ピザやハンバーガーなどを餌として用意。そして、より現実的な生ごみに近付けるために、みんなでおいしく味わい、食べ残しを作りました。残飯は京都市指定のごみ袋の中へ。

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検証実験の内容

 今回の検証実験は、つぎのような条件で行いました。

 

【A】ネットをかけたごみ袋

【B】ネットをかけないごみ袋

 

上記の【A】と【B】を用意し、同じ場所に並べて設置。【B】だけがカラスにつつかれたら、学生のみなさんが提案した【A】の有効性が証明されるという内容です。

また、松原研のM2が発表した「天空のごみ袋」も同時に検証実験を行いました。こちらは、カラスは地面に足をついた状態のときにしかごみをつつかないという推測のもと、くちばしが届かない距離にごみ袋を吊り下げるという提案。この実験結果も気になるところです!

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とはいえ、人気があるとカラスが来ないので、動画を撮影できるカメラだけを屋上に残し、1時間ごとに映像をチェックすることに。ということで、実験がスタート!いったい、どんな結果になるのでしょうか?

 

意外な落とし穴!カラスがやって来ない?

 「実験は、環境を整えることが大切です。今回でいうと、カラスが来るかどうか。それだけが心配です」と話すM-1後藤さんの心配が的中し、実験開始から数時間、まったくカラスが姿を見せないという事態に!屋上付近の建物には、カラスがチラホラとまっているものの、試作の方には一向に近付いてきません。これには、実験開始前まで試作の有効性に自信たっぷりだったM-1のみなさんも、不安な表情を隠しきれません!

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「カラスごみ問題」検証実験のむずかしさを痛感!

 酒井先生によると、日が暮れるとカラスが来ないということなので、実験開始から約6時間でタイムアップ。改めて、記録した映像を確認してみたところ……。

結局、カラスがゴミ袋に近づいて来なかったので、試作の有効性を検証することはできませんでした。

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「カラスごみ問題は、アイデアを考えることと同じく、正確な実験結果を得るための環境作りもむずかしいと痛感しました。次回は、確実にカラスが来る場所を探して、これであきらめずにまた挑戦してみたいですね!」と、後藤さんが新たな目標を語ってくれました。ワークショップイベントVol.2で注目を集めた提案だけに、次回への実験に期待が高まるばかりです!

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